相続相談するなら弁護士と司法書士のどちらがお得?

相続手続きの相談先として『弁護士』・『司法書士』・『行政書士』・『銀行』など様々な相談先がありますが、今回は弁護士と司法書士の違いについて説明していきます。

弁護士への相談

ご存知の通り弁護士は法律のプロフェッショナルであり、ある意味万能の資格でもあります。

相続手続きで必要となる手続きのほとんどを行う事が可能です。

身内が亡くなって相続手続きで困ってはいるけど、いきなり弁護士さんに相談するのはなんだか大げさな気がする・・・という感じの方がほとんどではないでしょうか?

たしかに弁護士って聞くとどうしても敷居が高く感じたり、費用が高額になりそうなイメージがあると思います。

相談だけではそれほど高くないかもしれませんが、実際に相続手続きをお任せとなると、他の士業に比べて高額になる場合が多いと思います。

じゃあ弁護士に相談する意味はあるのか?となりますが、弁護士さんにしか出来ない事があります。

それは相続人間で相続争いになっている場合、もしくは争いになる確率が高い場合です。

相続争いとはどんな場合か?

相続財産の範囲の確定や相続財産の分け方などで、相続人間で話し合いがつかず、争いになっている状況のことです。

例えば、生前に父親の面倒見ていた娘が、父親の病気が良くなる様にと思って、少し高額の健康食品などを父親の財産から買っていたとします。

父親の死後、他の相続人から必要のない高額な健康食品を買って、相続財産を減らしたと言われ、相続財産の範囲自体が争いになってしまっている様な時です。

このような状況の場合、司法書士や他の士業は相談にのる事ができません。

法律的な争いになっている場合、弁護士以外の士業が仕事を受けてしまう事は『非弁行為(ひべんこうい)』と言って、法律違反することになってしまいますので、このような場合は弁護士しか相談を受ける事ができないのです。

この様に相続手続きの一般的な相談であれば、弁護士に依頼するメリットはあまり大きくはありませんが、争っている場合や争いの可能性が高い場合は、最初から弁護士に相談する方が上手くいくケースが多くなります。

司法書士への相談

司法書士は登記のプロフェッショナルです。

上記で説明した弁護士も、相続登記などは司法書士に依頼するのが一般的です。

相続財産の中に不動産が含まれていて、相続人間に争いなどがない場合は司法書士に相談すれば、車の名義変更以外のほとんどの手続きを司法書士が行う事が可能になります。

また弁護士に相談依頼するより、司法書士の方が費用面でも安い場合が大半です。

相続放棄や遺言書の検認など家庭裁判所に提出する書類の作成も可能になります。

ちなみに行政書士は裁判所が絡む書類作成は出来ません。

一般的な相続相談で、不動産が相続財産に含まれている場合は司法書士へ相談するのが、一番問題のない選択になるかなと思います。

争いになるか分からない場合は、まず司法書士や行政書士に相談してみる事をお勧めします。

争いになりそうな場合は相談先の士業が弁護士案件だなと判断すれば、弁護士を紹介してくれる事が大半だと思いますので、安心して相談していただければと思います。

弁護士と司法書士の違いのまとめ

・弁護士:法律のプロフェッショナル。基本的に出来ないことはない。遺産相続争いになりそうな場合は弁護士に相談の一択。

・司法書士:登記のプロフェショナル。相続手続きの大半が可能。不動産が相続財産に含まれる場合は司法書士に相談するのが良い。

相談先を選ぶ時の注意点

身内に相続が発生して、相談先を選ぶ時は上記で説明した様に業務内容で士業を選択する場合もありますが、それよりも相談した士業の先生との相性が一番大事になります。

もちろん費用面などの兼ね合いで選ぶことも多いと思いますが、相続の手続は一定の期間がかかりますので、依頼先の士業の先生とは長い付き合いになります。

その時に相性の合わない先生を選んでしまうと、意思疎通が上手く行かなくなって、無駄なストレスを抱えてしまうこともありますので、皆さんと相性の合う先生を探してみてください。