相続人が多い場合、さまざまな手続きが滞り、進まないことがあります。今回は相続人が多い場合の課題や解決策について解説します。
相続人が多くなるケース
相続人が多くなるケースで多いのが子どもがいないケースです。子どもがいない場合、兄弟姉妹が相続人となります。
また、兄弟姉妹が先に亡くなっている場合は甥・姪が代襲で相続人になります。甥・姪が亡くなっていても、さらに代襲することはありません。
それでも相続人が多くなるケースが多いです。
例えば子どもがいない夫婦で3人兄弟の場合、以下のようなケースが考えられます。
<法定相続人>
①配偶者:1人
②兄弟姉妹:3人(うち1人が死亡)
③甥・姪:3人(死亡した兄弟姉妹の子)
この場合、法定相続人が7人になりますので、配偶者が兄弟姉妹・甥姪をとりまとめて相続の手続きを行う必要があります。
相続人が多いと、遠方に住んでいる人や仕事で時間が取れない人もいる可能性がありますので、手続きがなかなか進まないケースが多いです。
相続人が多いケースの対処法
相続人が多い場合、どのような対処法をとればよいのでしょうか。
遺言を作成しておく
相続人が多い場合、遺産分割協議が難航するケースが多いです。ほとんど接触のない甥・姪は当然放棄するだろうと考える方も多いですが、周囲から勧められるなどして、権利を主張する人も多くいます。
やはり配分を確実に確定しておくためには遺言を作成しておくと良いでしょう。
手続きを第三者に依頼する
相続の手続きは信託銀行や金融機関や司法書士や税理士などの専門家に依頼することも可能です。相続人が多い場合、手続きも大変です。相続手続きに慣れている人に任せることで、スムーズに手続きを進めることができるでしょう。
生前に手続きを依頼する場合は遺言書に執行者として、指定することができます。遺言によって配分と手続きをする人が定められていれば、遺された人もかなり楽になるでしょう。生前に手続きを依頼する場合は遺言者の意思で依頼する人を決定することが可能です。
相続発生後に手続きを依頼する場合は、原則相続人全員で合意して依頼する必要があります。そのため、手続きを第三者に依頼することに反対する相続人がいると手続きを進めることができません。また、兄弟姉妹が相続人の場合は認知症などて意志能力がなく、契約をすることができないケースもあります。相続発生後はさまざまなハードルがありますので、なるべく生前に依頼しておく方が良いでしょう。