遺言執行者を家庭裁判所に選んでもらう申立

 

遺言執行者は遺言に記載されてない内容を実現する権限を有しており、特別な資格が必要ではなく、相続人でもなることができます

ただ、未成年者や破産者では遺言執行者となることができません。

 

遺言執行者は遺言の中で指定されていることがほとんどです。

しかし、遺言に記載されていても遺言執行者が就任を断った場合には遺言執行者が指定されていないものとされます。

また、そもそも遺言の中で指定されていない場合には、遺言執行者の選任を家庭裁判所に申し立てることができます。

 

遺言執行者を選任するかどうかは遺言者および相続人の判断によります。

ただ、相続人間が仲が良く、分配もスムーズにいくような場合には特段選任する必要はありません。

 

しかし、遺言で相続人の廃除や認知をする場合には遺言執行者の選任は不可欠になります。

相続人間で紛争になる可能性が高い場合には遺言執行者を選任したほうが遺言の内容を実現することがスムーズです。

 

今回は遺言執行者を家庭裁判所に選任してもらう手続きについて解説します。

 

遺言執行者選任審判申立

遺言執行者選任審判申立ては遺言者の利害関係人(相続人,遺言者の債権者,遺贈を受けた者など)が遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てを行います。

 

申立に必要な費用は800円分の収入印紙と各家庭裁判所が定める郵便切手を前納します。

 

申立に必要な書類

 

一般的に遺言執行者選任審判申立に必要な書類は以下の通りです。

 

①申立書(裁判所のHPより入手可能)

②遺言者の死亡の記載のある戸籍

③遺言執行者候補者の住民票又は戸籍附票

④遺言書写し又は遺言書の検認調書謄本の写し

⑤利害関係を証する資料(親族の場合,戸籍謄本(全部事項証明書)等)

 

ただし、②と④は申立先の家庭裁判所に遺言書の検認事件の事件記録が保存されている場合は添付が不要です。

 

以上の他、事案によっては追加の書類の提出を求めらることもありますので家庭裁判所からの連絡がすぐににとれる携帯電話等の連絡先を申立書に記載しておいた方がよいでしょう。

 

上記の書類を作成・添付して申立て行う家庭裁判所に提出することで、申し立てが可能になります。

 

申立て後も補正や追加書類の要請などされた際は、申立書に記載した連絡先に家庭裁判所から連絡が入ります。

 

誰に依頼できる??

このような遺言執行者の選任にかかる裁判書類の作成は弁護士や司法書士が行うことができます。

 

専門的な手続きになりますので、早期のうちにその道に精通している専門家にご相談などされてみてはいかがでしょうか。