相続人の確定と相続割合

今回は相続の問題を考える上で一番基本となる相続人の確定と相続割合について、説明していきます。

相続人はだれがなるの?

1.同居して20年になるが、婚姻していないパートナー

2.婚姻をして1週間のパートナー

上記のどちらが相続人になるでしょうか?

 

正解は2番の婚姻をして1週間のパートナーです。

これが相続人の問題を考える上で、一番分かりやすい事例です。

 

日本の相続制度は戸籍上で判断されます。

婚姻をして20年経過しているが、15年以上別居していたとしても、パートナーは相続人になります。

また臨終の間際に婚姻届けを出したとしても、相続人になります。

逆に20年一緒にいて、子供がいたとしても、婚姻してなければ、相続人になりません。

他にもお子さんのいる相手と結婚して、30年暮らしていたとしても、相手のお子さんと養子縁組をしていなければ、相手のお子さんは相続人になりません。

この様に、実際の生活状況や、年数、その他様々な事情があって、家族同然の生活をしていたとしても、戸籍上で判断されることになります。

 

この様に相続のことを考える上で一番重要な誰が相続人かは、戸籍上の関係で判断されます。

今日本で増えてきているLGBTの問題も、こういったルールがある事によって、問題になっている側面もあります。同性間では結婚が認められていないなどですね。

 

では戸籍上どのような関係性の人が相続人になるでしょうか?

相続人の確定のルール

1.配偶者と子供
2.配偶者と親
3.配偶者と兄弟姉妹

このようなルールとなっています。

配偶者は常に相続人になります。

そして子供がいれば、配偶者と子供が相続人になります。

子供がいなくて、親が健在であれば、配偶者と親が相続人になります。

子供がいなくて、親も無くなっていると、配偶者と兄弟姉妹が相続人になります。

 

これ以外はどんあ事情があろうとも、相続人になることはありません。

相続人になるということは、亡くなった被相続人の財産を相続する権利があります。

遺産分割協議に参加することが可能になります。

相続人でなければ、どんなに関係性が深い人であっても、相続をすることはできません。

これが明確なルールです。

遺言を作るにしても、遺産分割するにしても、すべてはこのルールを知った上で考えないと、トラブルが起きる可能性が増えてしまいます。

では次にどのような割合で相続分があるでしょうか?

相続割合のルール

先程の掲載した相続人のルールを再掲します。

1.配偶者と子供
2.配偶者と親
3.配偶者と兄弟姉妹

1の配偶者と子供が相続人の場合は、配偶者2分の1、子供2分の1

2の配偶者と親が相続人の場合、配偶者3分の2、親3分の1

3の配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合、配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1

上記の様な相続財産に対する割合で、相続することになります。

 

具体的例で説明していきます。

分かりやすい様に、亡くなった相続人の財産が現金1200万円だけ例で解説します。

1の場合(配偶者と子供2人の例):配偶者600万、子供300万、子供300万

2の場合(配偶者と両親2人の例):配偶者800万、父200、母200万

3の場合(配偶者と兄弟姉妹2人の例):配偶者900万、兄150万、妹150万

この様な金額で相続するのが基本となります。

 

もちろん実際は銀金だけでなく、不動産や、株式、動産類など様々な財産がありますが、上記の相続分割合で考えるのが基本になります。

この様に、相続分の割合も国のルールとして決められていますので、このルールを元に遺産を分割することになっていきます。

遺言、遺産分割、終活など色々な相続にまつわる問題がありますが、すべては上記のルールが元にあり、それを元に様々な相続対策があります。

まずは基本ルールを知らないと、対策のしようもありませんし、また対策をしたとしても、基本ルールを理解していないとトラブルが起きる可能性があります。

相続の問題を考える上では最重要な知識になりますので、これを機会に理解して、家族の相続を考えてみて下さい。